「明日はじめて取引先に行くんだけど、名刺ってどうやって渡すんだっけ……」「両手だっけ片手だっけ」「受け取った名刺ってどこに置けばいいの?」——そんなふうに、ちょっとした手順で頭の中がぐるぐるしてしまうこと、ありますよね。名刺交換にはだいたい決まった型があって、一度覚えてしまえば次からは身体が動いてくれます。この記事では、準備から渡し方・受け取り方・着席後の扱いまで、できるだけやさしく整理しました。深呼吸して、ゆっくり読み進めてみてください。
まず安心してほしいこと:完璧でなくて大丈夫です
名刺交換の記事を読んでいると、「順番を間違えたらアウト」「片手だと失礼」と緊張する書き方も多くて、不安になってしまいますよね。でも実際のところ、相手も社会人。手順を1つ2つ前後しても、丁寧な気持ちが伝われば失礼にはなりません。
ただ、型を知っておくと「次に何をすればいいか」が見えて、相手の顔をしっかり見る余裕が生まれます。ここから紹介する流れは、「迷わないためのお守り」として読んでみてください。来客対応や訪問全体の流れが気になる方は来客対応と訪問の完全ガイドもあわせてどうぞ。
ステップ①:訪問前の準備 — 名刺入れと姿勢
訪問する側もされる側も、出発前にひと呼吸の準備で印象がぐっと変わります。
- 名刺入れに名刺を10枚以上入れておく:足りなくなると焦るので、少し多めに
- 名刺の向き:自分から出すときに相手から読める向きで入れておくと、その場で慌てない
- 名刺入れは胸ポケットか上着の内ポケット:カバンの中だと取り出しに時間がかかります
- 指輪・腕時計:派手すぎないか軽くチェック。身だしなみはビジネスの身だしなみと挨拶 完全ガイドも参考にしてみてください
名刺の角が折れていたり、汚れていたりすると、せっかくの第一印象がもったいないことに。新しいものを上に重ねておくだけで、出てくる1枚目がきれいな状態になります。
ステップ②:渡す順番 — 訪問した側が先、目下が先
名刺交換でいちばん迷うのが「誰から出すか」。基本は次の2つで覚えてください。
- 訪問した側が先に出す(自分が訪問者なら、まず自分から)
- 役職が下の人が先に出す(同じ立場の場合は若手から)
つまり、自分が新人で訪問者なら、ほぼ間違いなく「自分から」です。「自分が後でいいか」と相手の出方を待つよりも、スッと先に名刺入れを構えるほうがスマートです。
ステップ③:渡し方 — 両手で、胸の高さに
ここからが本番。両手で、相手から読める向きで、胸の高さで——この3つを意識すれば大丈夫です。
- 名刺入れから1枚取り出し、名刺入れの上に重ねる(名刺入れがトレイのようになる)
- 両手で持ち、文字が相手から読める向きにする
- 胸の高さに構える(相手のおへそより下にならないように)
- 会社名と名前を名乗る:「◯◯株式会社の【氏名】と申します。よろしくお願いいたします」
- 軽くお辞儀しながらゆっくり差し出す
声はいつもより少しだけ大きめ、お辞儀は深すぎず浅すぎず15度くらいで十分です。「ちゃんと届けよう」という気持ちが、自然と所作にあらわれます。
ステップ④:受け取り方 — 両手で「頂戴いたします」
相手から名刺を差し出されたら、こう受け取ります。
- 両手で受け取る:「頂戴いたします」「ありがとうございます」とひと言
- 指で名前や社名にかぶらないように、名刺の端を持つ
- すぐにしまわず、お名前を確認:「【相手氏名】様ですね、本日はよろしくお願いいたします」と一度復唱できると印象◎
受け取った名刺をそのまま胸ポケットや財布に入れるのは避けてください。いったん名刺入れの上に乗せて両手で持つ——これだけで「大切に扱っています」という気持ちが伝わります。
ステップ⑤:同時に交換するときの「右手・左手の使い分け」
実務でいちばん多いのが「お互いに同時に出す」場面。手の動きでよく迷いますよね。やさしい流れはこんな感じです。
- 右手で自分の名刺を差し出す
- 左手に名刺入れを構えて、相手の名刺を受け取る皿にする
- 受け取った瞬間、両手に持ち替えて「頂戴いたします」
つまり、渡すのは右手、受け取りは左手、受け取った直後に両手——この流れだけ覚えておけば、慌てずに済みます。間違えても「失礼いたしました」とひと言添えて、ゆっくりやり直せば全然OKです。
ステップ⑥:着席後の置き方 — テーブルの上、自分から見て左
名刺交換のあとに着席する場面では、いただいた名刺をしまわず、テーブルの上に置くのがマナーです。
- 自分から見て左側、名刺入れの上に乗せて置く
- 複数人いる場合は、座っている順番に並べる(誰がどの方かすぐ分かるように)
- 会話中はチラチラ見ながら名前を呼びかける:これだけで「ちゃんと覚えようとしている」と伝わります
会議が終わったら、しまうタイミングは「席を立つ前」。立ってから慌ててしまうのは避け、座ったまま名刺入れに丁寧に収めましょう。会議室の席次が気になる方は席次マナーの基本もあわせて読んでみてください。
ありがちな失敗とやさしいリカバリー
完璧でなくて大丈夫、と最初にお伝えしましたが、「やってしまった!」を引きずらないのもマナーのうちです。
- 名刺が足りない:「申し訳ございません、本日切らしておりまして」と素直に伝え、後日メールで自己紹介を送る
- 相手の名前を読み間違えた:気づいた時点で「失礼いたしました、お名前は◯◯様でよろしいでしょうか」と丁寧に確認
- 名刺を落としてしまった:拾ってひと言「失礼いたしました」、相手の名刺なら必要に応じて新しい一枚をお願いする
焦らず、ひと呼吸おいて、丁寧に——これだけで印象は元に戻ります。
まとめ
名刺交換は、「相手を大切にする気持ち」が伝わればOK。次の5ポイントを覚えておけば、もう迷いません。
- 準備:名刺入れに10枚以上、相手から読める向きで入れる
- 順番:訪問者・目下が先。新人なら基本「自分から」
- 渡し方:両手で胸の高さ、名乗りながら15度のお辞儀
- 受け取り方:両手で「頂戴いたします」、名前を一度復唱
- 着席後:テーブル左に置き、しまうのは席を立つ前
頑張りすぎず、相手の目をやわらかく見る——それだけで第一印象はちゃんと届きます。敬語の使い分けは敬語と呼称のマナー完全ガイド、名刺交換後のフォローメールはビジネスメールの基本ルールもあわせて参考にしてみてください。
よくある質問(FAQ)
Q1:名刺は片手で渡したら絶対にダメですか?
A1:絶対NGではありません。両手が原則ですが、お互いに同時交換する瞬間などは右手のみで差し出す形になります。大切なのは「丁寧に扱おうとする所作」。受け取り直後に両手に持ち替える、ひと言「失礼いたします」を添える——これだけで十分に伝わります。
Q2:もらった名刺はその場でメモを書いてもいいですか?
A2:相手の目の前ではNGです。話の内容や役職などをメモしたい場合は、会議が終わって席を離れたあと、別紙に書くか、自分の手帳に書き写しましょう。名刺そのものに書き込むのは「相手の顔に書き込む」のと同じと感じる方もいるので、避けるのが安全です。
Q3:名刺交換の場で、相手の名刺が読みづらかったらどうすれば?
A3:その場で読み方をやわらかく聞いて大丈夫です。「失礼ですが、お名前はなんとお読みすればよろしいでしょうか」と添えれば、相手も丁寧な印象を持ちます。後で間違って呼ぶよりずっと安心です。
Q4:オンライン商談では名刺交換はどうしていますか?
A4:最近は「クラウド名刺サービス」のURLや QRコードをチャットで共有する形が主流です。事前のメールで PDF 化した名刺を添付するのも一般的。対面に比べて型は緩やかなので、自己紹介の冒頭に会社名・氏名・部署を明確に名乗ることを意識すればOKです。










